芸術を愛する魂

LA MUSIQUE

時折、通信販売で購入したものが送られてきたダンボールの空いたスペースに、古い新聞紙がクチャクチャになって入っていることがあります。今日はそれを広げながら、何気なく目にとまった言葉のことを書こうと思いました。
1年前の7月の日付の新聞です。美術家の横尾忠則さんが、ある本の読後を評して書いていらっしゃったタイトルが、「芸術を愛する魂が宿る場所とは」となっています。横尾さんが読んだ本は、アメリカの路上音楽家を日の当たる場所に出そうとする一人の男の献身的な物語でありドキュメントだったようです。
音楽家は音楽以外何も求めておらず孤高の精神の持ち主で、男のほうは博愛主義とか救済という名の慈善行為的な思い込み。その音楽家と男とのあいだに繰り広げられる強引ともいえる顛末では、音楽家はおそらく幸せではなかっただろうと言っているようです。

そして最後に「本当の芸術が落ち着く場所は、芸術を愛する魂が宿る場所だ。」と書いています。この言葉は、胸にしみます。
コンサートにいらっしゃるお客様の場所も、そういった神聖なこころが渦巻くところだなあ、と思います。そして、たった一人でピアノや譜面に向かうKAKOさんのアトリエにもぴったりだと。

Posted by アトリエール