劇場で

時々のメモ

昨日は、この季節に毎年届く蜜柑が松山の小さな島から送られてきました。箱を開けてびっくり。これが蜜柑?というくらい大きいのです。猛暑で果物の生育が狂ったのではないでしょうか。中の皮もいつもより硬い感じ、果肉しか飲み込めません。それでも冬に不足がちなビタミンCにはぴったりです。
郵便受けには、「最後の忠臣蔵」劇場用のプログラムの見本誌が入っていました。劇場公開も近いです。

A4版を横にしたような形で、巴の家紋のデザインに金色の文字が浮かび上がった、高級感のある仕上げの冊子です。
800円で売られるんですね。
郵便物の整理はなかなか時間がかかりますから、中を見るのも飛ばし読み。と思いながらも、KAKOさんの談話の部分もあるので読まなくては、と表紙をめくりました。そうしましたら、杉田成道監督や脚本家、撮影監督、美術の方のほかに、役所広司、佐藤浩一、桜庭ななみ、などの主だった俳優さんの談話も掲載されています。役所さんは撮影中、修業僧のようでホテルから一歩も出ずに、役作りに入り込んでいたとか。片岡仁左衛門さんは既に原作を読んでいたので、大石内蔵介をやりたいと思っていたので、依頼が来たときはうれしかったとか。カメラの人の言葉には「生明かりのような柔らかい色にするためには、どういうフィルムを使って、どこの現像所を選ぶか・・」という具体的な悩みも書かれています。美術監督の西岡善信さんは1922年生まれです。1954年の「近松物語」の世界観をベースに作っていった、といいます。西岡さんの美術や衣裳の黒沢和子さんのスケッチも入っています。この時代背景は派手なものはやめましょうという禁令があったので、地味な色合い、風合いをいかに出すか苦心されたことをおっしゃっています。
何処で撮影したか、という頁は興味深いですよ。主人公が雪山を下ってくるところがあるのですが、吹雪の中で赤子を籠に入れていて、印象に残ったシーンです。実際に雪山で撮影したんですね。滋賀県の峠でした。あと必見は、国の重要文化財に指定されている大覚寺でのロケです。由緒ある襖絵や屏風なども是非ご覧下さい。

とにかく、目にも心にも美しいものが感じられる映画です。

Posted by アトリエール