響ホールの名残

LA MUSIQUE


5月29日の加古隆クァルテットによる北九州市響ホールでのコンサート。

名前どおりかそれ以上に響きの良い素敵なホールでした。

会館に入ってスタッフの先導で楽屋へ行く時に、なだらかにカーブした壁と壁の間に嵌められた大きなガラス窓からは樹木や空が見える庭になっています。

大きなホールですと、迷路のような廊下の先の楽屋に通されますから、まずその窓があったことで、他にはあまり無い文化会館という建物の第一印象がありました。

客席数720という規模ですが、内部の横幅がゆったり取られているせいでステージは広く、客席も微妙に居心地良く配置されています。

この微妙さは、多くのホールの席に座った経験から感じる事ではありますが、鑑賞する側の心のゆとりに通じていくものだと思います。客席から見上げてハッとしたライト。ステージの座席上部の方や客席の両脇の壁の照明が、細かい透かし模様から明かりがもれるデザインだったのも素敵でした。写真に撮って来なかったので残念ですが、ホールのホームページにあったステージ写真に、かすかに写っていましたが、分かりますでしょうか?

こういうホールを持っている町民は幸せですね。

第一部はブルー系の衣装で
第二部は定番の白と黒の衣装

クァルテットのメンバーにとっても、「また行きたいホール」にランクインした程、満足度の高い1日でした。建築マニアの筆者としては、是非とも建築設計の名前を知りたくなり問い合わせしてみたところ、石井和紘研究所という返答でした。香川県直島町へ行った際に見て強烈な印象があった「直島小学校」の設計者だったのです。

末筆ですが、今回のコンサートが実現したのは、「加古隆を招いて(よんで)欲しい」と、一般市民の人が会館側に働き掛けてくださったというケースでした。またそれをキチンと検討してくださり多くの方々のお力添えがあったという経緯に、頭が下がる思いです

日本は単年度予算でもあり、検討しても直ぐには結論は出せないのですよね。

関係者の皆様、ご来場の皆様、本当に有難うございました!!

Posted by アトリエール