1冊だけのスコア
来月、金沢と富山で初演される委嘱曲ですが、既に曲のほうは出来ていても、それを1冊の本のようにしなければなりません。指揮者用はオーケストラ側で作ってくださるのですが、こちらは、作曲家=KAKOさん用として必要なんです。
少しずつ出かける準備をし始めているところに、A4サイズに小さくコピーされたスコアが手元に届きました。
両面コピーになっているため、頁を開いたときに紙がふくらんだりせず、平(たいら)にならないと目を通しにくい、ということがあります。譜面は一瞬で全体を見通すものですね。ということは糸やホッチキスで留める方法では机に置いた時などフワフワして駄目です。
そこで、以前もお世話になった印刷屋さんに電話をしてみました。「○○ですけれど、むかーし先代の社長さんに製本用の糊を分けていただいたことがあるのですが・・・」「ノリ・・ですか?」「ええ、楽譜を1冊だけ作るのにホッチキスで留めることが出来ないので、と話したら、背中に糊付けしたらいいよ、と教えてくださって・・・その糊、少しだけ分けていただけないでしょうか」
こんな厚かましい相談が出来たのも、ちょうど、新しい名刺を作るついでもあってのこと。非常に良いタイミングでした。数日して、名刺と一緒に小さな密閉容器が同梱されていて、ほっと一息。2-3倍に薄めてお使いくださいと書いてあります。
でも、ここからは一人でやらなくてはなりません。確か、こんな感じで作ったような気がする・・と記憶をたどりながら、ゆっくりとやってみました。
今回は6-7ミリくらいの厚さですので、薄くてちょっと心配でしたが、きちんと出来上がりました。
そのあと、何気なくインターネットで”製本”で調べてみましたら、この方法は「無線とじ」と呼ぶそうです。写真入りで丁寧に順序が書かれていて、ちょっとショック。「切り込み入れ」というのは知りませんでした!
自分でノリを作る人もいるようですが、この製本、結構楽しい作業です。またいつか記念の一冊を自分で作ってみたいと思います。