志(こころざし)若く
ひとつのことを長くやっていると、人生には、「顕彰される」という嬉しい出来事もあります。オーケストラ・アンサンブル金沢の第286回定期公演は、岩城宏之メモリアルコンサートとなっていて、コンサートの前に、今年の「岩城宏之音楽賞」に選ばれた人の授賞式があるようです。その記者会見があるので、同席しました。
2010年度の受賞者は、チェリストのルドヴィート・カンタ(Ludovit Kanta)さん。スロヴァキアご出身で1990年からオーケストラ・アンサンブル金沢の首席チェロ奏者。オーケストラの音楽監督である指揮者の井上道義さんが選者のお一人でもあって、選考の模様も少しお話ししてくださいましたが、さて、ご当人のカンタさんのひと言がおもしろかったです。
受賞の知らせを聞いて、「びっくりしました!何故って、普通は若くかわいい人が決まったりするのに、僕はこんなに、もうおじさんだから・・・」と片言の日本語でおっしゃったので、記者の方々も一同クスクス笑いの場面でした。でも、音楽をやめないで本当によかっということや、日本にいたことの幸せも語っていましたが、エネルギッシュな向上心や音楽への愛情は人一倍強いのでは、と感じました。
その時の写真です。右がカンタさん、サン=サーンスのチェロ協奏曲第1番が定期公演で披露されます。
「この賞は登竜門ではないので、技量も経験も豊富で素晴らしい音楽家を選びたかった」と井上道義さん。素敵な選考のお話しですね。
われらがKAKOさんの委嘱作品もいよいよお披露目・・・。9月3日(明日!)は富山公演、9月4日が金沢公演です。