新しい試みのコンサート
今年の夏から始まった「THE PIANIST」~辻井伸行さん、レ・フレールさんと加古隆、3組のピアニストが集うコンサート~。
8月20日から東京オペラシティ・コンサートホールで5日間、大阪のザ・シンフォニーホールで3日間開催されました。
かろうじて、KAKOさんの初日のステージリハーサルの時に写真を撮りましたので、アップします。
ステージに3台のピアノが並んでいます。(ちなみに調律師も3人)
照明が入るとこんな雰囲気。本番の衣装は「白」ですけれど。
辻井伸行さんとKAKOさんは第一部、休憩の後の第二部がレ・フレールのお二人という順番でした。
それぞれの好みのピアノを使用して、自作曲を披露します。
辻井伸行さんだけスタインウェイ、他はベーゼンドルファーですが、レ・フレールさんのピアノは古いピアノで、自分たちのコンサートは、全てこのピアノを運ぶのだとか。勿論、トラックですが…。
さて、出演者順に…
辻井伸行さんは、とにかく音色が美しいし、お話の時の声も澄んでいるので、爽やかな気持ちになります。後ろの席から「カワイイ!」という声もかかります。アンコールでショパンの「革命」を演奏するのですが、TALKが済んで椅子に座ったと思ったら、すぐに第一音が出るので、非常に驚きました。指の位置とか全く確認していないです。不思議ですねえ。
ピアノの転換時間が5分くらいで、次はKAKOさんです。
その登場の時から、少しだけホールの空気が張り詰めたように感じますが、演奏ごとの拍手は、お客様の満足気な様子が伝わってきます。
おそらく生の演奏を初めて聴くかたも多かったはずです。プログラムが配られていないので、ステージで曲の説明もしなければいけないし、秋のサントリーホールのコンサートのお知らせもしたいし、という訳で、アンコール入れて充実した45分間でした。「鎮魂歌」では、涙をぬぐう人もすすり泣く人もいました。
デビューして40周年というキャリアや、作曲家としての作品の完成度が光ります。
レ・フレールというのは、フランス語で兄弟という意味だそうです。横須賀出身の実のご兄弟(斎藤守也、斎藤圭土)の連弾です。
KAKOさんは、世の中に疎いので彼らのことを今回まで知らず、フランス人のピアニストが来るのかと思っていたそうです。
ミュート奏法なども駆使して、ピアノよりもお琴のような音が聴こえたり、鍵盤に4本の手が様々に交差する様子も圧巻で、バラード調の曲も多いのですが、最後はブギウギ風の曲で締めくくり、喝采を浴びていました。
出演者の数が多いわけでもなくピアノだけだし、と、余り期待しないでいらした方も、この「THE PIANIST」は、ピアノ一台でこういうコンサートが出来るのか!という、感動と発見のステージだったようです。
2013/08/29