開演前のステージ
先月の「THE PIANIST」の大阪公演は、開場と開演の間が1時間ありました。
東京は30分でしたので、1時間とは長く感じますが、当然、お客様の様子はとってもゆったりとしています。
そういう雰囲気の中に、ザ・シンフォニーホールというホールを、愛し育てているという意識が、無意識にでもお客様側にもあるように思えたのです。
ただ開演時間に間に合うように来るというよりも、いわゆる「小屋」を大事にする感覚は、関西人の方が強いのかな、と思ったりしました。
その開場時間の合間に、客席方面から撮影したというお写真が送られてきました。
あまりに照明がきれいだったので・・・、というコメント付きです。
ステージ奥の壁面に凹凸のあるデザインなので、東京のホールと同じ照明の配置でも、見え方がかなり違いました。
こういう写真って、舞台裏のスタッフやカメラマンは意外と思いつかないものなのです。
素直にうれしいお写真です。
天井の反射板がシャンデリアのように煌めき、舞台に並べられた3台のピアノにかかる青い明りも、
ここに演奏者が登場してくる期待感を煽ります。
実は、このホールがオープンした直後に、ソロ・コンサートでKAKOさんは演奏しています。1988年のことです。
その年号を忘れられない訳を書いておきましょう。
東京・表参道のスパイラルで、「APOCALYPSE アポカリプス」を上演した前年だったからです。
KAKOさんに「ピアノと、それを取り巻く一人のダンサー」という新しい作品のイメージがあり、候補となった黒人ダンサーのIsmael Ivo(イヴォ)と、
お互いのステージを見るという機会が、偶然にもその年にありました。来日していたイヴォさんの舞台は東京・草月ホール、そしてKAKOさんのコンサートが大阪のザ・シンフォニーホールでした。
初めてお互いのステージを体感して、強くインスピレーションを感じ合うことが出来、「APOCALYPSE」という作品が完成していったのです。
40周年を振り返るときに忘れられない出来事の一つです。
2013/09/05