森がありピアノ曲あれば

LA MUSIQUE

11日のサントリーホールでは、衣装デザイナーのワダエミさんも、聴いてくださってました。感動!有名人の巻 その2として、お名前を挙げておきましょう。
やはり「波」の演奏は圧巻だったようですね、とても良かったとKAKOさんに言ってくださったとか。もしかしたら、とても良かったわよ、かな。
もう白髪で70代半ばと思いますが、1986年の映画「乱」(黒澤明監督)でアカデミー賞最優秀衣装デザイン賞以来、さすがに世界を視野に現役で仕事をされていらっしゃる方の、しなやかな強さと素敵さとが、お姿から窺えます。
最近は日本よりも北京のホテルに滞在していることの方が多いそうです。何しろ今や中国は、文化予算も日本とは比較にならない程沢山で、糸から染める徹頭徹尾の仕事や、一挙に何千着をも作ったり出来るアトリエや関わる人間も多い。

さて、本日のお題は・・・

気仙沼市からサントリーホールにいらしてくださった二人の方から頂いた「冊子」のことです。

右が歌人・熊谷龍子さんの最新作、歌とエッセイ「森の窓から」。4枚の付箋はKAKOさんに関連するもの、だそうです。
その中の一首。

ピアノ曲「摩周湖」を幾度も聴きながら今日の内側を平らかにせり

エッセイによると、この歌人にとって特別な曲のよう。さらに冊子の最後から2番目の歌の文章の所に、「森と人の約束」の曲に触れ、その時に作った歌が挿入されていました。

森がありピアノ曲あれば私の空間はとうぶん何処までも澄む

うーん、好きです、言葉の音楽を聴いているような歌ですね!

発行所は遊子堂 習志野市谷津3-1-31-1105 TEL047-408-0567 ちなみに142頁1,800円です。

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、KAKOさんが唯一作曲した校歌、宮城県気仙沼高等学校の時の作詞者でもあります。気仙沼の蠣の養殖問題から生まれた環境保全運動「森は海の恋人」は、下記の一首から生まれたのです。

森は海を海は森を恋いながら悠久よりの愛紡ぎゆく

スミマセン、何か文学的な日になりましたが、左は私家版「讃岐からの繪手紙」。これは、あの3.11大震災でかろうじてエンジンルームが助かった船の作り主、讃岐の人から、心のこもった絵手紙を受け取った気仙沼の方が一冊にまとめたもの。
和紙に季節の花などが描かれ励ましのことばが筆で添えられ、身一つ生き残った方にとって、どんなにか心待ちにしていたお便りではなかったか、と想像します。こういう支援もあるのですね。
その中の一枚。

KAKOさんは「鎮魂歌」という曲を、2013年に出したアルバム「QUARTET 2」の第1曲目に収録し、昨年はアンコールで弾きました。
厳かなるフレーズが、ふっと口からこぼれそうです。

2014/10/16

Posted by アトリエール