屋久島に呼ばれて

旅の途中に

昨日の続きです。
午後4時にリハーサルが終わり、本番までの間しばらく船内のお部屋でくつろいで居ましたら、船長さんの放送が入りました。

「まもなく4時50分頃に日没です。今日はきれいな夕陽を見ることが出来ると思います。」
さあ大変!かなりリラックスした格好に着替えてしまい、このままでは外に出られないです。外気温はかなり低そうなので、上着を着こんでマフラーを巻いて、靴も履き替えて・・。
あわてて出ました。あとでこの時のことが話題になり、他の人もパジャマにコートを羽織って出た、と言っていました。
夕陽は綺麗ですが、凄い風。携帯で写真を撮るのに、飛ばされそうで立ってじっとしていられない状況です。何故なら、大阪港からおだやかな瀬戸内海に出るのかと思っていましたら、四国の右側を廻り、室戸岬に航海しているようです。
そんな訳で、必死の一枚です。

船室は揺れも感じるので“ゆりかご”のような効果があるのか、部屋に入るとどうしても眠くなります。
でも、海のさまざまな表情と共に、津波のあった3月のことも思い出され、考えごともしました・・。

さて、夜8時30分から始まった船上でのコンサート模様は撮影禁止の為、写真がありません。
マイクを持ったKAKOさんのはじめの挨拶は、
「馴染みの無い、初めて聴く曲が多いと思いますが、そういう“初めて”というチャンスを愉しんでいただけたらと思います」というようなことでした。お客様はコンサートにいらしたわけではなく、屋久島や鹿児島が目当てですものね。それで、こういう言葉になったのでしょう。でも、そのせいか何となく安心して聴けそうな雰囲気になったと私は思いました。

翌朝は海に波頭は無く、凪になっていて湖のようでした。
屋久島に着き、ほとんどの人が一旦下船して、島巡りに出かけたようです。
われわれ一行も一日OFFなので、大き目のレンタカーを借り、A級ライセンスを持っている調律師のKさんの運転で、いざ出発!
宮の浦港から40~50分ほどのヤクスギランドに行きました。
入り口の看板の傍に座り込んでいるのは鹿です。
ここから先は徒歩で森の中に入って行くのですが、私のみ車で待機となります。
どういうわけか背中が痛くて痛くてたまりません。車に酔った訳でもなく、昨日、夕陽の強風を受けていて、どうやら体のスジをおかしくしたようです。

ですから写真も無く・・・あるのは、入り口近くにあったヤクスギの公衆電話だけ。

森から戻った皆は、「木も石もみんな苔で覆われていた・・」「肌がしっとりしたかも・・」「いい気が流れていた・・」と言っていました。

運転するKさんのお薦めのリゾートホテルで昼食。

少し小高い丘の上にあり、海を一望する隠れ家的なところ。こんなお皿もあって別世界の空間演出に一役かっています。

でも、道すがら見かけた「うどん」とか「自家製○○○」とかいう看板を出している小さなお店で食べたかった気もします。
ホテルの支配人がテーブルにいらして、「屋久島にいらした方は、“呼ばれて”来たんですよ」とのこと。

今回の旅は、縄文の時代から続く屋久島の「木」に、「気」に呼ばれたんですね。

12月11日の盛岡公演では、パワーアップしているかも知れません。ご期待ください。

Posted by アトリエール