楽水園

旅の途中に

先日6日の神戸のコンサートも、関西人のお客様の熱気で非常に盛り上がりました。いよいよ地方ツアーは8日の福岡で終わり、来週末は東京です。

KAKOさんが福岡の市内地図を広げて、何処にしようかと思い巡らしたのは散歩の行き先でした。緑色に塗られた部分をチェックして、住吉神社がホテルから程よい距離と思ったそうです。大阪と下関と共に日本三大住吉神社のひとつ。
「町と触れ合う散歩 その4」です。

福岡は日本海寄りなので、季節に似合わない寒い日にも出会ったことがあります。今日は少し薄曇りで、神戸では半袖でしたがここは薄い上着が必須です。

神社へ向かう途中に、沢山の小さな店が軒を連ねる市場がありました。こういう場所を覗くのが大好きなKAKOさんです。玄界灘のお魚を珍しそうに眺めたり、一軒だけ見つけた食堂のメニューを見ています。穴子とかウニとか鉄火丼とか新鮮そう。さすが福岡です。

住吉神社のまわりは住宅街に囲まれていましたが、地図にある通り緑が深く、様々な名前の木が植えられています。「楽水園」という、江戸時代の代表的な池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)日本庭園がなかなか良かったです。明治時代、福岡の発展に寄与した豪商の別荘だったそうで、さほど大き過ぎず華美なものは無く、池の水辺に屈んでも立ち上がって木々を眺めやっても、何とも平穏な侘の世界観があるような、心が落ち着く場所でした。
KAKOさんはモミジの木を見ながら、どんな季節も良さそうだ、と嬉しそうです。

結局、市場の食堂には寄らずに戻り、福岡市民会館に向かいました。

KAKOさんは本番前の楽屋で、指揮の練習を何度もしていました。ある曲の出だしの部分が日によってイメージ通りに実現しないこともあり、ストリングス・トップの相川麻里子さんと相談して指揮の方法をちょっと変更した部分があるのです。
福岡のお客様も熱い拍手で迎えて下さいました。会場の人々の温度感が、東京や北の方とは違うなあと思います。

ツアーも終盤になって、気になっていた大貫妙子さんの2曲目の詩の冒頭。

野辺の命に抱かれ 輝いていた あなたの瞳・・・・

「愛しきあなたへ」という曲の歌詞ですが、大貫さんの詩人の魂を受け止めて耳を澄ましたい曲です。
バンドネオンの小松亮太さんとのデュエットですが、NHKラジオ深夜便「深夜便の歌」(10月~12月放送)だったそうですね。どういういきさつでお二人が出会ったのでしょう。東京公演の時に聞いてみたいです。

2015/05/08

Posted by アトリエール