難局
今週の月曜日に、「題名のない音楽会」というテレビ番組の収録がありました。実を言いますと、当方のアトリエではテレビもラジオもつけず、ニュースはインターネットで入手するので、仕事中は静かなものです。。それで、台本が来てはじめて「2192」回目という長寿番組だと知ったり、アナウンサーの方のお名前を見たりした次第です。
指揮は金聖響(キム セイキョー)さん、演奏は日本フィルハーモニー交響楽団、司会は指揮者でもいらっしゃる佐渡裕さんとTV朝日の本間智恵さん、でした。さらに須川展也(サクソフォン)、奥村愛(ヴァイオリン)といったスペシャルゲストが曲ごとに登場するのですから、盛りだくさんの顔ぶれ。
前日は別のところでリハーサル、当日は三軒茶屋の昭和女子大学・人見記念講堂でサウンドチェックを兼ねた音合わせからスタートです。しかし普通のコンサートと違って、2回分の番組を一日の公開録画でやるために、両日とも充分な時間がありません。カメラ・リハーサルというのもアッという間に終わり、いつもは吟味に吟味を重ねる完璧主義者のKAKOさんには信じられないくらいの流れです。
気になる箇所が・・・まだ残っている・・・本番は大丈夫か・・・?
そういう気分が胃に左右してか、楽屋に戻りお弁当を広げてもいっこうに箸が進まない様子。スタッフの面々が、今日のはおいしい、と言ってますが、と気持ちを盛り上げようとしたのですが、結局ダメ。でも、食べなくてはステージ登壇までちょっと心配です。困惑しているところに、何と思いがけない差し入れが届きました。中身のひとつに「あずき寒天」という大きめの箱があります。甘さ抑え目、トロトロと喉を通り、結局そのひと箱で救われたのでした。イザ本番という時にもの凄ーい集中力を発揮するKAKOさんは、実はこれまでにも数々の難局を乗り越えてきています。
いつでしたか、海外公演の多いAさんと差し入れの話になった際、僕はお漬物、糠漬を頂いたことが一番嬉しかった、とおっしゃっていました。わかるなあ・・・その気持ち。それなら、ご飯とお漬物だけでもおいしいだろうから。
ところで、オンエアは10月31日の予定です。