芸能と芸術を愛した町
今年のツアーで一番興味を持っていた劇場、「内子座」へ23日に行ってまいりました。
松山空港から内子の方へ向かう道中に、出迎えてくださった座長のHさんから町の成り立ちなどをお聞きしながら、山を越えて町を見下ろす丘に出ましたが、ここは盆地です。
ひと筋の水の反映が見えたので、KAKOさんが素早く川の存在を問いました。
海からも遠い地が繁栄した理由の一つは、やはり川ですね。この土地の小田川の本流・肱川(ひじかわ)の瀞(とろ)が、物資の往来には非常に恵まれていた、と宿泊所のパンフレットに書かれていました。木蝋(もくろう)で日本一となった歴史の町です。
それに、昔の海賊はこの川を上って蔵の米をごっそり盗んでいったというくらい豊かで、狙われてもいたそうです。
さて本番の会場「内子座」のリハーサル時の写真です。
背景に“松の絵”というだけで、いつものホールとは違いますし、お客様の所の1階は「升席」になっていて、座布団を並べています。昔は地べたに座布団だったけれど、現在はベンチ形式です。
ほぼ満席で強くあたたかい拍手が送られ、今年のプログラムが無事に終わりました。
最前列に和服の女性が居たそうで、KAKOさんは「着物はキリリとしていて綺麗だ」と何度も言っています。
私は2階の「大向こう」という席の端っこで、天井を見上げると小さなシャンデリア、まわりに「ぼんぼり」、舞台の上に「藝於遊」という素晴らしい書の額がかかり・・・。芸能と芸術を愛した町の人々の、憩いの場だったろうと感慨深く見渡しました。ここで、浄瑠璃や歌舞伎を観たい!!と、心から思いました。
その時には、着物姿で来たいなあ。
今週末は札幌です。