名前をつける

LA MUSIQUE

「名前をつける」、赤ちゃんの姓名判断コーナーではありません。でもまあ、新しく誕生した楽曲につけるのですから、似たようなものですね。

9月に発売されるCDの中には、新曲がいくつか入ります。その中の1曲で、季節にふさわしい曲名「夏の日の挽歌」。これは、昨年の8月に終戦記念ドラマとしてNHKが放送した「気骨の判決」のテーマ曲です。チェロのイントロから始まる素敵な曲。えーっと、曲の紹介ではなくタイトルのことでした・・・。
番組の内容は、太平洋戦争さなかの昭和17年、戦争に勝つため東条英機内閣は、政府に反対する国会議員を排除するため、衆議院を解散して総選挙を行います。政府主導の「大政翼賛会(たいせいよくさんかい)」が露骨な選挙妨害などで自分たちの議席を独占するという結果を作ります。選挙後、鹿児島2区で落選した議員などがこの「選挙妨害」をあげて選挙の無効を大審院(現・最高裁)に提出。多くの裁判官が時局を気にして尻込みする中、裁判長・吉田久(よしだ ひさし)は事実を立証すべく九州に赴き、多くの証言を取り付けただ一人政府を相手に戦いました。
そして昭和20年(1945)、”・・・選挙は「コレヲ無効トス」”※という判決を下すのです。時代に迎合することなく、司法・法律に忠実たれと自身に課した実在の気骨の人。この主人公を小林薫さんが演じていらっしゃいました。
(※同判決の判決原本は東京大空襲の際に焼失したとされており、大審院民事判例集にも登載されておらず「幻の判決文」とされていたが2006年(平成18年)8月、最高裁判所の倉庫で61年ぶりに発見された。ドラマの冒頭部分で原本が登場しました。)

終戦といえば—夏—悲哀も感じる—詩—などど連想ゲームのように言葉のイメージがまとまっていって、落ち着いたのが「夏の日の挽歌」。これは割りにシンプルな決まり方です。ずいぶん昔の曲で「EL-AL(エル アル)」というのはイスラエル国営航空の名ですが、どうしてこの名がついているのか知りません。今度聞いておきます。

kAKOさんは、作曲中の曲のモチーフは散歩の時が結構多いようですが、曲名のほうについては温泉で考えている時にふっと浮かぶこともあるのだそうです。意外です。でもやはり水瓶座生まれだから、水に関係あるところにいいことがあるのでしょうか。

Posted by アトリエール