日常が吹っ飛んだ
東京・紀尾井ホールでの、今年の弾き納めコンサートが無事終了。シューボックススタイルの会場に音が隅々まで響き渡り、ステージが近く感じられます。演奏者にとっても心地良いひと時だったようです。
昨年は12月26日までコンサートがあり、その後にテレビの音楽録音の仕事もあったりして、年末までぎっしりのスケジュールでした。今年は、早々と仕事モードから解放されています。
さてそんなところに、コンサートの感想が書かれたメールがいくつか届きました。
まず、1986年にKAKOさんが発表したCDからスタートし、これまで数々の曲を聴いていたけれど生の演奏は初めてだった、という男性の方。紀尾井ホールは午後2時半開演でしたから、久し振りにご夫婦揃っていらっしゃれたという方々の一組だったかも知れません。最近では人々の週末の過ごし方が随分変ってきて、土曜・日曜の昼(マチネ)のコンサートが多くなりました。一昔前「花の金曜日」と言われた頃、仕事終わりで夜のコンサートに出かける時は一人、というタイプは多かったと思います。
という訳で、初めてのコンサートの印象は、というと、この方の感想文はとっても詩的です。吹雪の道から密林の孤島まで、さまざまにイメージが広がったそうです。
ほかのメールには「・・・ファンになった頃の大好きな曲が4曲もあってとても嬉しかった」というものや、「第1部の衣裳が素敵だった」という声も。
数年前に「この手にメロディを」というDVDが発売されましたが、その中でもこの衣裳をつけて演奏していますよ。近くで見るとこんな柄がついているのです。
そういえば終演後に「第2部の2曲目が一番好き」とおっしゃる方もいらしたようです。この発言はかなり渋い!です。それに、後からクァルテットのメンバーが揃ったときの弦の人達の話題で、この曲が最も3人の和音の響かせかたが難しかった!!!、のだそうです。えっ!そうだったの?作曲者のKAKOさん本人は、弦の人達の悲鳴がかなり意外だったようです。ちなみに楽曲は「霧につつまれた街」。
そして極めつけの言葉。「ちまたの喧騒や日常を忘れさせてくれた」と言って茫然として立っていらした第一線のテレビマン。
さてさて、クァルテットの公演を開催してくださった各地の皆様に感謝を込めて、このコーナーでも頭をさげましょう。もちろん、会場に足を運んでくださった方々に、心から「有難うございました!」と言いたいです。