「包む」こと

フランスと日本

日本人は「包む」ことに異常なほどの神経を使いますが、他の国ではそうでもない、というお話から。KAKOさんがパリに留学し暮らし始めてしばらくした頃、自分では割と高価な買い物をしたのだそうです。お金を払ってウキウキと待っていますと、何の模様もない安っぽい白い紙袋に無造作に入れて渡されて、かなりビックリしたことを、今でもはっきり覚えている、と言っていました。
しかし、その単純な袋の感触が、後になるとなかなか味わい深い想い出の手触りになるのですから、異国へのあこがれというのは不思議です。
パリでは至極当然のような無造作な包み方は、日本では誠心誠意尽くされた包み方になって、現在に至っています。捨てられる包装紙や箱の量は凄いだろうと思います。しかし、包むことに精神も一緒に包んでいるのでしょうから、そこが日本人の素晴らしい文化でもあり、否定できません。

そうそう、風呂敷というのがありました。「ました」と過去形になってしまうのは、現実として風呂敷を持って電車に乗っている人も見かけないので残念ですが、優れものの一つですね。本のように四角いものも、ワインのような瓶類も、どんな形の物も包み込める布です。いつでしたか、お酒を頂いたとき木綿の風呂敷にくるんであったのは嬉しかったです。数年経った今も畳まれて抽斗に残っています。
さて、暑い季節の外出のときには、晒の和手ぬぐい1枚を鞄にひそませて・・と思いますが、今年は風呂敷1枚も入れることにしようか・・・でも、打合せで思いがけない書類を渡されたりしたら、さりげなく風呂敷・・・ではなくて、まだまだ紙袋とかそういう袋を広げることになりそうですが。
ご参考までに、結び方いろいろ。http://huroshiki.com/?mode=f1

Posted by アトリエール