パリのうどん
フランス人と日本人の違うところは幾つもありますが、食事ひとつ取り上げても、こんなことがあったりします。
パリに出店して数十年も経つ「うどん」のお店があります。当初は日本食の店もそれ程多くはなく、そのお店の界隈でもポツンとそこだけが“にっぽん”という感じでした。
ところが、今年そのあたりを歩いていて、街の豹変ぶりに驚いたのです。日本や韓国料理のレストランがひしめいているではありませんか。
それでは「うどん」のところは競争が激しいだろうなあ、と思っていましたら、別の理由で大変だと聞きました。
確か四国出身のご主人だと思います。手抜き無しでこだわりのとってもおいしい出し汁なので、今やフランス人のお客様も多くて、行列が出来るほど。ところが・・・。
日本人って、おそばやうどんを食べて出るまでに、余程長くて1時間でしょうか。フランス人はそこが違うのです!カフェで「un caf?」のみで2時間も話し込む人だっている国ですから、うどんを食べ終わってもぐちゃぐちゃおしゃべりしていて、なかなか帰ろうとしない。従って、次の人が入りたくてもなかなか席が空かない、ということなのだそうです。8人~10人くらいしか入らないようなお店だったはずで、フランス人にも人気のお店になるのはいいけれど、「うどん」の食べ終わり方も日本人を真似して欲しいな、と思った次第です。