腕時計

閑(シズ)かな日

KAKOさんが古い腕時計の電池交換に、とある時計修理のお店に行った時のお話し。
夏の仕事場・軽井沢で、時計修理を扱っているお店を探すのが、まず一苦労です。軽井沢に限らず、最近は個人でお店を出していることは少なくなりましたね。
さて、表通りからは離れたこんなところに?というような場所にその時計修理の店、というか入り口がありました。
間口1間くらい、昭和の時代にさかのぼるような、木枠のガラス戸です。ガラガラっと引き戸を開けて暗い店内に入ると、ご主人らしき人が時計の入ったガラスケースの向こうに座っています。手元の蛍光灯の下で何やら作業をしていた様子。
持参した腕時計を見せると、
「これはいいなあ、こういう時計は今は作れないねえ」とまず一言。
ええ、まあ・・・あのー、電池交換お願いしたいのですが・・・とKAKOさん。
時計の裏をはずして、またもやご主人いわく、
「ほら、簡単にはずれちゃうでしょ。これはね、真鋳を使ってメッキしてるから長年使っていると、ほらこんなところが錆びてね、それで、きちんと収まらないから、パクッとすぐはずれるの。でもね、これが昔のいい時計の証拠なんですよ。最近の時計の裏はステンレスだから、キチッと収まって、錆びも無いしねエ。」
あー、そうですか・・・
「今は、ほらここにあるのなんかソーラー電波時計ですよ、腕時計でも。フル充電してたら暗いところでも2年間大丈夫、っていうんだし、電波だから時間も狂わないしね。」
ふむふむ・・・
「それにね、今は手巻きの腕時計って、国内ではあまり見かけないですよ。海外用に作っているようなもんだね」
確かに、フランス人なんかも手巻きが好きそうだな・・・

何でもいいけど、話している間のご主人の手は止まっているし、おしゃべりはまだまだ続きそうだし、10分のつもりが30分はかかりそうで焦った、そうです。軽井沢はちょっと時間の流れ方がゆったりしているかも知れません。

ちなみにこの腕時計は、1970年代に尊敬する人からプレゼントでいただいた記念のものだそうです。そしてあらためて、一つ持っている手巻きの腕時計のほうを、今までよりももっと大事に使おうと思ったのだそうです。

Posted by アトリエール