「貌」と「顔」
今日は一冊の分厚い写真集
『貌・KAO ? 白鳥写真館「これから・・・」』
のことをお話しします。
写真家は白鳥真太郎氏。
現在の日本を形作ってきた団塊の世代も60代になっていること、・・・しかし
芸術や文化、学術など様々なフィールドで今もエネルギッシュに活動を続けている日本が誇る「達人」たちは、どのような「これから」を語るのだろうか。
・・・「これまで」をどのような「これから」につなげていくのだろう。
写真集のタイトルにある「これから」については、そういう意味だそうです。
表紙は北野武さん。
(実物は縦30センチ×横22.5センチ)
この深い表情をあぶり出しているライティングからも写真家の技量を既に語っていると、まず思います。
ゆっくりとページを開きます。全ページ100人の被写体と、写真のそばに「これから・・・」したいことなど書かれている文章を読みました。北野武さんのは「誰も観たことがないような映画を」撮るだろう、と。
これは”貌”になった人たちの文ではなく、写真集のアートディレクターの意図で、撮影前後に各自にインタビューをしたものが元になっています。
〈2014年12月12日のアトリエ通信に撮影スタジオへ行った日のことを書いています。そのもっと以前から企画されて100人の撮影は3年がかりとか。〉
KAKOさんは前半のほうの頁。そういえばページ数が何処にも印字されていないので、49人目ということか。
通常プロフィール写真として世の中に出回るものとは趣が違い、光と影で鼻筋が際立ち、強い意志がにじみ出ている滅多にない一瞬です。
東京で写真展がありますし、詳しいことはこちら↓をどうぞ。100人の名前も列記されています。
http://www.jps.gr.jp/kaiin_tell/20160729/
個人的には、写真集を手元に置いてじっくり眺めていただきたいかな。
「顔」と「貌」の違いもおさらいしたりして。
さてさて、
ページを繰っていくと子供の頃のことを書いている人がいまして、それは両親からかけられた”言葉”でした。
県知事を務めたこともある方のこんな記憶。
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帰宅した父が「今日はハッピーだったかい?」と聞き、僕が
「はい、ハッピーでちゅ」と答えるのが日課でした。
そんな毎日を過ごしていると、本当にハッピーな気分になっていくんです。
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息子に暗示をかけていたのかもしれない、という何とも言えず素敵な父親像。
もう一つは音楽界の大会社の社長さん。物事に果敢に挑んできた人生で、自分が何をしたいのかを大切にしてきたけれど、、、その原点を思い出して。
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その根底にあるのは、幼い頃に母が
いつも言ってくれた
「あなたには、できる!」という言葉かもしれない。
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うーん、これもいいですねえ。
2016/07/12