長崎からの葉書

閑(シズ)かな日

季節柄、暑中お見舞いのお便りが届きますが、夏の軽井沢に滞在していると「暑中」の言葉にピンとこない日が多いかも知れません。
ただし駅前の本通りは、電信柱の地中埋め込みが終ってから植樹されたのは、2メートルに届かないような低く小さな木ばかり。今この通りを歩くのは辛いものがあります。
太陽を遮るほどの並木に育つには、数十年かかるのではないかと思われる程なのです。
もしかしたら、避暑のために訪れた方はびっくりなさるかも知れない、と気になりました。

その点いつも書くことですが、KAKOさんアトリエのある一角は何処よりも涼しい、、、ので、元気で仕事をやっております。
映画「散り椿」の録音が今週に迫ってきたため、最後の追い込みです。どんなことをやっているのか?って気になりますよね。
特に映画の場合は、何分何秒何コマの絵に合わせて音楽がスタートする、とか、音楽が終らなければならない、という決めごとがあったりすると、音響の編集マンに、音楽を適当にフェイドイン、フェイドアウトしておいてください、と言うわけにはいきませんので、KAKOさんの作業も半秒とか半拍の世界で細かい作業になるのです。そういう数字上の細かさと同時に「音楽的に解決する!」という命題が外せません。

パソコンや楽譜に、顔をくっつけるほどに向かう毎日。これでは、眼と耳が極限状態にお疲れ気味でしょうね。
そう思っていましたら先日、アトリエの室内にいるのにサングラスをしているのを見かけました。聞くと、それはサングラスではなくブルーライトカット眼鏡だそうです。パソコン・モニターの液晶画面からのブルーライトという強い光をカットするとか。

さて暑中見舞いの葉書の中に、引越し案内が一枚ありました。差し出し局は長崎。
久しぶりの単身赴任だそうで、「興善小学校の資料館で加古さんの曲を聴き懐かしく・・・」と、書かれています。

興善小学校?
もしかしたら、あのドキュメンタリー映画の時の小学校?と、直ぐに思いました。
原爆に被災した小学校が映画の舞台でした。
岩波映像のホームページに、当時のチラシも掲載されています。

http://www.iw-eizo.co.jp/sell/society/02/society02_003.html

この時は、テーマ音楽のことで、プロデューサーの意向とレコード会社との関係が難しく、苦労したことが思い出されます。もしも長崎に行く機会がありましたら、記念館を覗いてみて下さい。
被爆50周年を記念して1996年に製作、となっていますので20年前となりますが、この映画も末長く残ってほしいものです。

2017/08/13

Posted by アトリエール