女神に見守られて
先月の、札幌・名古屋・大阪・東京の「加古隆コンサート2016」が終わって、遅まきながらご報告など。
舞台裏から先に。
大阪の楽屋見舞いに届いた鉢物のお花。
演奏者もスタッフも、「うぁ~素敵」と声をあげて近寄っていました。
もみじ、八角連、梅花唐松、紅小町。
送り主の奥床しさとセンスが偲ばれますね。
但しもう一度梱包し直してどこかへ発送するには鉢も本物で重く、「難しそう、、、ハードルが高い」とスタッフは呟いていましたが、今は湯河原のアトリエに運ばれて、KAKOさんがせっせと霧吹きをしています。
さて、ステージの様子は。
ピアノ・ソロをこの上なく愛しているけれど、と前置きがあって、ソロに加えて各弦楽器がそれぞれ醸し出す表情に感動した・・・という声が。
「クァルテットが紡ぎ出す各音は、日本古来の木造建築の継ぎ目のような寸分たがわぬ美しさで完全に組み合わさっており・・・」という箇所を読んで、KAKOさんが、サントリーホールのステージで久しぶりにメンバー紹介で言っていたことを思い出します。
「・・・僕よりもずっと若い方々ですが、ベストの選択をしたと思っています」
「舞台上の5人のメンバー総ての所作に品格がにじみ出ていることに、深い安らぎを感じた・・・」というように、「所作」に驚き、自分も衿を正さなくては、、、、というメールを下さった人もいました。
そう言われたら、そうかも知れない。
ヴァイオリンの相川麻里子さんも、ヴィオラの南かおりさんも、チェロの植木昭雄さんも、弓を持った入魂の演奏姿だけではなく、拍手を受ける時立ち去る時、全ての振る舞いに凜とした美しさが感じられます。
勿論、音楽の女神に見守られたKAKOさんも例外ではなく。
そのKAKOさんのTALKについてはこんなふうに、
「ユーモアに富み、無駄な部分がない日本語の選択・スピード感の適切さ、もちろん発声音の心地良さ、それでいて切れ味が鋭く抜群」だというお褒めの言葉。
今回、第1部のソロよりも、実時間では第2部のクァルテットは長目なのですが、もっと聴きたいと思えるほど短く感じたのでした。
曲の構成には、KAKOさんが随分時間をかけて考え抜いていましたから、その結果がステージで評価されて、本当にホッとしています。
もしも私のように、もう一度見たい聴きたいと思われたり、今回のツアーの何処にも来れなかった方には、新緑のお出かけも兼ねて、八ヶ岳のコンサートをお薦め致します。
6月4日(土)八ヶ岳高原音楽堂でお会いしましょう!
http://www.yatsugatake.co.jp/event/concert/2016/0604/index.html
2016/05/06