加賀の国から

閑(シズ)かな日

郵便物の中に、一見ダイレクトメールのような、薄い企業用封筒が混じっていました。差出人は、いつも取り寄せているお茶の会社です。インターネットでやり取りしているので、こういう封書が来るのは珍しいなあ、と思いながら開封したところ・・・。えっ?販売中止?
よく読みますと、この会社の扱う棒茶の中でも高額な2つのお茶が、現在の在庫をもって終了としたいという内容です。福島の原発問題の後、静岡県を主な茶園として取引していた同社では、その安全性とおいしさを求め続けていたようですが、結局、納得のゆく商品を提供できない、という理由で販売中止にせざるを得なかったようです。

茶園は静岡なのに、製茶は加賀の国でした。アトリエでのティータイムに欠かせない、大事なお茶でした。お湯をそそいで30秒、指定されたその時間を守るのに、秒針から目を離さずに淹れています。何とも言えぬふくよかな香りと味で、思わずおいしくて、ふーっと溜息がもれます。珈琲も紅茶も中国茶もあるけれど、ここのお茶は格別でした。

近いうちに、被災された東北のあの方この方に、贈り物のひとつにしようと考えていた矢先です。震災はめぐりめぐって、こんなところにも影響を及ぼしているのでした。

それでもお茶好きの一人としては、何とかおいしいお茶を探さなければなりません。この手紙を受取った方々も、同じように思っているでしょう。そして同時に、あのお茶の再開を心待ちにすることでしょう。

Posted by アトリエール